アマレット又名Amoretto
そもそも、映画を作りたいという思いも、その大まかな原案も、吉田美和、中村正人の二人の中には随分前からあった。吉田曰く、「音楽の力、力とまで言っちゃうと大袈裟かもしれないんですけど、音楽をちゃんと底辺においた映画を、一生に一本撮ってみたかった」と。中村が、脚本家の一色伸幸に連絡をとることで、それはいきなり現実味を帯びはじめる。彼らが、脚本を依頼できればと思った一色は、中村と大学の同級生だった。もっとも、二人は相次いで早々と大学を去った。「25年ぶりだったんですよ。とりあえず、駄目で元々だと思って電話をしました」と中村。 ところが、この映画の実現に向けてもうひとつ偶然が重なった。 映画は、男女一組のバンドが主人公だ。吉田扮する観音崎***は35才、中村演じる安田康夫は40才。二人が一緒に音楽をやりはじめて既に10年経つが、いまだ世の光りを浴びずにいる。生...
清新。。。