間諜
徳川末期、阿波蜂須賀藩を中心に、倒幕の陰謀ありと探知した幕閣は、三人の間謀、南、佐々木、松山を四国へ送った。が、これを事前にキャッチした阿波藩隠密取締り役、三田村軍十郎を中心とする阿波間諜は、巧みな情報網を張り、秘密を守ろうとした。南らの第一の目標は、以前潜入したまま行方不明になった間諜吉岡をみつけ出すことだ。南は徳島城下にある賭場で、吉岡が藍工場に向ったまでの足どりを得た。佐々木が藍工場に忍び込んだが、捕えられ、拷問を受けた。一方勘定奉行波藤が指揮する地下工作は着々と行われ、阿波踊りの混雑を利用して**弾薬を輸送し、さらに佐々木、吉岡を囮に幕府間諜一掃をもくろんだ。それを知ってか知らずか、血気にはやる松山は、佐々木救出を計った。待ちかまえていた鉄砲隊の銃が火を吹こうとした瞬間、南がかけつけ、群衆を利用して、鉄砲隊を錯乱させ、佐々木を救い出した。佐々...