向田邦子新春シリーズ「女正月」
昭和13年の暮、池上本門寺裏手にひっそり住まう**家。商工省官吏だった主は10年前に亡くなり、今は母・里子(加藤治子)、会社勤めの次女・まき恵(南果歩)、帝大生の長男・健一郎(**一彦)、***の三女・みさ代(曽根由加)、という4人家族である。長女・いち乃(**裕子)は商工省の役人・田久保誠一(岸部一徳)に嫁ぎ、近くに住んでいる。いち乃は出版社に勤めていたが8年前、石川善郎という作家に無理心中を仕掛けられた過去がある。石川は死亡し、いち乃は身体と心に傷を負った。 そんなある日、まき恵が「恋人を連れてくる」と予告し、静かな**家は久々に活気づいた。いち乃も夫・誠一と一緒にやって来る。やがてまき恵の恋人で、出版社に勤める中原博之(小林薫)が現れた。数日後、いち乃は中原に「石川善郎という作家を知っていますか?」と尋ねられる…。