あの日から村々する
原子力発電を全廃させた2021年の日本で悪夢の事故が再び! 2021年の日本。10年前の事故を契機に原子力発電を全廃したこの国の電力は、その半分が新種のクリーン発電方式「なめこ汁発電」によってまかなわれている。ある日、安全なはずの首都電力奥多摩なめこ汁発電所が事故を起こす。周辺住民に避難勧告が出されるが、逃げ遅れた人々の体に次々と異変が起こり出す…。 なめこ汁発電、カニ化する身体、幼児化した首相。そうした、いまの日本のきわめて表面的で軽薄なパロディを装いながら、この映画はあの事故がすでに起こったことではなく、いまなお起こりつつ問題であることを私たちに思い出させる。なぜ、いまこの場所に居続けるということが、こんなにも困難なことになってしまったのか。行き場のない憤りが言葉にならない叫びとしてこの映画の隅々まで響きわたるとき、それは日常の中に消えてしまいか...