关东兄弟仁义:仁侠原名:関東兄弟仁義 仁侠,
東京深川、東雲一家の賭場で行われた矢倉清吉と山根勇三の本引き勝負は、息ずまるような熱戦の末、勇三に軍配があがった。長い旅の修業から帰った清吉が、勇三のイカサマを見破りながらも勝をゆずったのは、世話になった東雲一家の金看板に傷をつけまいとする配慮と、賭場をしきる代貸駒井平蔵への友情からであった。渡世内では清吉と並び称される名勝負師勇三が東雲一家の分家筋である浜田一家親分浜田徳**の弟源七と組んでイカサマをしたのには理由があった。三年前、イカサマ師を斬った勇三が、その男の女房お桂を案じ、捜した結果、今、お桂は金一を里親に預け州崎遊廓で女郎をしていることがわかり、その身受金をつくるためであった。そんな時、東雲一家二代目関弥九郎は、平蔵に跡目をまかせ二百人の子分を率いて中国大陸へと渡っていった。関東一円に知られていた東雲一家の八幡の賭場の権利を是が非でも手に...