春雪之门原名:春雪の門,
明治の末年。仙石**の令嬢真理子の馬車を襲った三人の博徒を、通りかかった紘道館四段杉龍太郎は物の見事に投飛した。この時から二人の間には恋が芽生えたが、彼女は金のため東小路との縁談を強制されていた。杉は父が博徒に殺された事から、彼等を見れば片っぱしから叩きつけていたが、そのため紘道館を破門されてしまった。然し棟梁銀作は、彼を引取って、仕事場に畳をしいて道場を作ってやった。益田組の社長英五郎と、その輩下の親分甚造は杉に再三悪事の邪魔をされたので唐手の八段美奈島をさしむけて他流仕合を挑んだ。二人は裏の原っぱで相対し、杉の隅返し見事に決って美奈島は倒れた。銀作の娘おせいは杉に心をひかれ、そのため彼女を想う大工長五郎の恨みを買った。そこで彼はここを出て**官志望の親友大道寺のやっている煮込み屋の屋台で共に働くことになった。そこを甚造一派のやくざ者と美奈島に囲ま...